日記

松本清張 疑惑読了

こんにちは、miikoです。
今回の記事は先日松本清張記念館で購入した疑惑を読了したので
そのあらすじや感想、映画版との違いについて書いてみたいと思います。

松本清張の疑惑とは

松本清張原作の疑惑は1982年2月にオール讀物に掲載された小説ですが、
1982年に映画化もされて映画もリアルに観ました。ドラマ化も何回もされています。
記憶に新しいのは今年の2月にテレビ朝日開局60周年の記念ドラマとして放映されました。
残念ながらこのドラマは見ることが出来なかったのですが、
有料ですがAmazon videoで配信中なので見てみようかと思っています。

原作本疑惑のあらすじ

疑惑は映画版を最初に観て、原作本を読んでいなかったので、
映画版が強烈に印象に残っています。
今回初めて原作を読んでみて、この小説の主人公って
新聞記者の秋谷茂一なんだと言う事を初めて知りました。

どんな事件?

ある資産家の夫婦がふ頭から車ごと海に転落する。
夫は白河福太郎,妻は白河球磨子(旧姓 鬼塚)という。
妻は自力で泳いで助かるが、夫は引き上げられた車の中から遺体で見つかる。
夫と妻のどちらが運転していたのか?
この夫には3億円の保険金が掛けられていたこと、妻が後妻で前科があり、
また妻の普段の行動と名前からこの事故は保険金殺人ではないか?と思われ、
妻が運転していたと疑われた。

先入観から球磨子犯人説を報道した秋谷

この事件は球磨子の性格や態度、前科がある事、また旧姓が、鬼塚である事から、
鬼熊事件を思い起こす者もいた。
球磨子の保険金殺人では無いかとの噂が広がり、それに乗っかるように、
秋谷が連日球磨子が犯人であるかのような記事を書いていたが、裁判が始まると不安になる。

弁護士がなかなか決まらない

当初依頼された原山弁護士は体調不良で弁護人を降り、次の弁護士がなかなか決まらず、
しかしこの事件は弁護人なしではできないため、国選弁護人を付けることになった。
やっと決まった国選弁護人佐原は民事が専門、秋谷は安心した。
国選弁護人で、民事専門という事で多分無罪にならないだろうと思っていた。

佐原弁護士は男性

映画版では佐原弁護士は、岩下志麻が演じていて、
容疑者役の桃井かおりとのやりとりがまた映画版の見どころだった。
だが原作は男性です。またこの佐原弁護士は民事専門だが、なかなかのやり手です。
それがまた秋山を追い込んでいきます。

車に残された片方の靴とスパナは?

原作も映画版も車に残された片方の靴とスパナが何に使われたのか?
また、片方の靴だけどうして脱げたのか?
この謎は当初は球磨子が運転していて、自分だけが逃げるためスパナを用意したと見られたが
車の転落実験をしたところ車が沈んでいく過程でフロントガラスが割れる事が判明し
球磨子が用意したとは思われない為、警察はこのスパナの事はあまり重要視してなかった

映画版では佐原弁護士が車の運転中に空き缶が運転席に転がって、
ブレーキペダルの下に入り込んでブレーキが効かないというアクシデントから
この靴とスパナを置くと同じようにブレーキが効かないという事が判明して
福太郎が運転していたと立証する。

原作もこの推理は同じです。
この推理に至った過程は違いますが、佐原弁護士が車を運転中に渋滞に巻き込まれ
右足だけでアクセルとブレーキを交互に踏んでいて、靴を横向きにすれば
丁度ブレーキペダルの下に入り、少し隙間を埋める為にスパナを使ったんじゃないか?
と考えつくという具合です。

原作の終わり方がちょっとびっくりしました

映画版では裁判の場面が良く出てきますし、最後で福太郎の孫が証言します。
福太郎が孫に残した手紙の内容で福太郎の無理心中の可能性が濃くなる

しかし、原作では裁判はあまり登場しませんし、孫の証言もないです、
佐原弁護士が車に残された片方の靴とスパナのトリックを秋山に報告する
それを聞いて秋山は追い込まれる。
後日、秋山は佐原弁護士の事務所を訪れ、事務所のドアの前で太い鉄パイプを持って立っている
ところで終わります。

原作はクライマックスでストンと落とされた感じで終わりますが
読み終わった後、凄く怖くなりました。

原作には「不運な名前」という小説も掲載されています

この疑惑は長編ではなく、もうひとつの話が掲載されています
疑惑は旧姓鬼塚球磨子、オニクマが先入観から疑われるというものですが
もうひとつの話は「不運な名前」という話、
北海道の樺戸行刑資料館へひとりの男が訪ねるところから始まる。
この話は、藤田組贋札事件について、その場に居合わせた3人が話しているという形式をとり
この犯人とされている、熊坂長庵が冤罪では無かったのか?という事を
当時の事件等から考察していくという内容です。
芝居に出てくる大盗賊「熊坂長範」と一字違いという事で警察から疑われるという
事があったようです。
この小説を書くにあたって相当な文献を調べたのでないか?というのがわかります。
疑惑に比べ、読むのに時間がかかりました。

松本清張記念館でかけてもらったブックカバー

今回購入の疑惑は松本清張記念館で買ったのですが、
そのブックカバーが松本清張の作品が年表になっており、
松本清張の写真も載っているという、ファンにはたまらないと思います

最後に…

今回松本清張の疑惑について書きました。
疑惑は原作を今回初めて読みました。
私はミステリー好きなので、松本清張だけでなくいろんなミステリー小説を読みます。
松本清張もそのひとりだったんですが、今まではミステリーばかり読んでましたが
今回松本清張記念館に行って、ミステリーだけでなく色んなジャンルの本を書いてるのを
知りました。
松本清張=ミステリーという固定概念が変わりました。
また違う作品も購入しましたので感想をUPしていきたいと思います。

ABOUT ME
miiko
パンとお菓子を作るのが好きで、apple製品が大好きです。 何にでも興味津々です。 60代の主婦目線でいろんなことを綴ってます。 キャッシュレスとポイ活もやっています