こんにちは、今日は砂の器について書いていきたいと思います
3月28日にフジテレビ開局60周年ドラマ砂の器が放送されるそうで、
うちに眠ってた松本清張の原作本を読みました、その直後映画版も観て、
2004年にTBSで放送された、中居正広さん主演の砂の器も見返しましたので
その感想を書いていきたいと思います。
砂の器を読んで
私は、本は好きなので読みだすと、夜も遅くまで読んでたりします。
ジャンルはミステリーが好きで、松本清張や西村京太郎、最近は赤川次郎の杉原爽香シリーズ31巻を読み終えて、燃え尽き症候群のようになってしばらく読書はお休みしてました。
ですが、今月末に砂の器が放送されると言う事で、ドラマはみましたが、原作を読んでなかったので放送までに読もうと繁忙期なのに読みました。
原作は上下巻文庫本で両方約500ページの大作ですが読んでいると引き込まれるように早くに読み終わってしまいました。
あらすじ
それでは簡単なあらすじを、あまりにも有名な話ですし、映画やドラマも放送してたのでご存知の方は多いと思います。
ここからネタバレ注意です、もしまだ原作も読んでなくて、ドラマや映画も観てなくて
今度放送される砂の器が初めてって方はご注意ください。
まず簡単なあらすじですが、旧国鉄蒲田駅操車場で扼殺体が見つかります。初動捜査の段階で被害者と犯人が近くのバーで目撃され、被害者は東北訛りの男性で「かめだ」という言葉を残していたので事件はすぐに解決すると思われてましたが捜査は難航し、被害者の身元もわからず、ただひとつの手がかり、東北の「かめだ」だけが頼りでした、やがて被害者の身元が判明し、被害者は三木謙一という岡山県出身の元巡査、東北には何の関係もなかった。
捜査は被害者の三木謙一の過去について調べられ、恨みを持ったものの犯行と思われていたが、三木元巡査を悪く言う人がいなくて、ここでもまた難航する、やがて遍路の旅の親子との関わりがわかり、その親子について調べると、その子供が今活躍の音楽家和賀英良ではないか?なぜその音楽家は戸籍を変えてまで自分の過去を隠すのか?
和賀がやっと掴んだ幸せそこに現れた元巡査三木謙一、巡査は懐かしさのあまりに、その子に会いにきたが、その幸せを守りたいあまりの行動が殺人だった。
原作を読んで
今回原作を読んでみて、この原作は文庫本で上下巻で2冊とも約500ページの大作です。2004年のドラマ版を見ているので最初から犯人はわかっていましたが、あっという間に読み終わったって感じです。ミステリーによくありますが大どんでん返し、これも上巻では和賀の登場シーンは少なくて、警察も和賀はノーマーク状態でした、どちらかと言うと評論家の関川重雄が怪しいです。もし犯人知らずに読んでたらきっと関川が犯人では?と思います、
映画版やドラマ版とは少し違う点もありました。
物語の時代背景も違いますし、原作通りとはいかない部分もあると思います。
和賀の父親、本浦千代吉ははハンセン病を患った為に離縁されてしまいます。その為子供を連れての遍路の旅に出ます。特に原作で父親が今では完治する病気でも当時は隔離され差別を受ける時代、そんな辛い幼少期を送っています。
また父親が隔離施設に送られた後、大阪に出て空襲にあっています。戸籍も全部焼けてしまって
自己申告で戸籍が復元され、そこで初めて和賀英良となり、今までの本浦秀夫と言う名前を捨てて、和賀英良として生きて行きます。
こういう事情があるからこそ、抹殺したはずの本浦秀夫を知る三木謙一の登場は和賀にとっては驚異でしかなかったんだと思います。
また映画版やドラマ版で描かれてない事、それは音楽について、
この原作の時代背景は戦後です、和賀英良は昭和6年生まれそんな時代に
和賀英良は電子音楽というのか、演者がいなくてスピーカーから流れる音楽と彫刻、今でいうアートとのコラボの演奏会を開いています。
また原作では、元巡査の三木謙一だけでなく、あとふたり亡くなってます。
それが音によるもの、高音と低音の音波を使うと言うもの、この時代こんなトリックを考えるとか
松本清張の凄さが感じられます。
この小説は1961年に刊行されたもの、58年経ってもドラマ化されると言うのはこの小説が名作だと言う証だと思います。
映画版
映画版の砂の器は1974年に制作されました。
今Amazonプライムビデオで視聴できますので、原作を読んだ後に視聴しました。
出演者は丹波哲郎、加藤剛、森田健作、島田陽子と有名な方ばかりで、この映画では本浦千代吉はハンセン病を患ってると原作と同じ設定となっています。
ひとことで言えば見応えありました、
最後の今西刑事が和賀の逮捕状を請求する理由を話してる時に
本浦親子の遍路の旅の様子が結構長い時間流れるんですが、これがもう涙を誘います。
本浦千代吉が施設に送られるシーンなんてもう涙が流れます。
このシーンと、和賀がコンサートでピアノを弾くシーンが重なって感動的なラストです。
最後は逮捕に向かうところで終わります。
実際原作では和賀がコンサートでピアノを演奏するシーンは無いのですが、このラストの演奏シーンはドラマでも採用されていて、この映画から和賀はピアニストの設定になってるようですね。
この映画はおすすめいたしますので、機会があればご覧ください。
現千葉県知事の森田健作の若い頃がまた新鮮です。
2004年ドラマ版
2004年ドラマ版は現代にアレンジされています。
また映画版は今西刑事が主役の作品ですが、今回は和賀英良から見た砂の器になっています。
本浦千代吉は謂れ無き理由で村八分にあいます。奥さんが病気の時も診てもらえずに亡くなってしまい、村に放火をして30人を死なせてしまいます。
その為ドラマ版では逃亡の旅となります。
このドラマ版では原作でも、映画でも描かれなかった、三木謙一の殺害シーンがあります。
またラストは映画版と同じように、今西刑事の逮捕状を請求の理由説明の時の逃亡の旅が長く映し出され、その自然の美しさもあって、余計に涙を誘います
また映画版と同じようにピアノの演奏シーンで中居くんの表情で泣かされます。
またラストシーンで本浦千代吉は医療刑務所に収監されているんですが、今回はコンサート後親子の対面シーンがありますが、ここでもう号泣でした。
原作では本浦千代吉は事件前に亡くなっています。
ドラマ化は今までも何回かされていて、最近は2011年に放送されています。
これは所轄の刑事吉村から見た砂の器です。
残念ながら私はこの作品を見ていないので、機会があったら見てみたいと思っています。
最後に…
砂の器の原作と映画版、2004年のドラマ版について書きました。
今月28日にフジテレビの開局60周年のドラマ砂の器、今回はハロウインの日に起こった殺人事件らしいです。
どんな砂の器になるのか楽しみです。